2017年05月17日 水曜日|カテゴリー:
行事
今年も、全ての先生が研究授業を行い、指導力の向上を目指します。
本校の研究授業は、その日のために特別に準備したものでなく、いつもの授業を公開し、お互いに参観し合いながら研修を進めていくようにしています。
3年生の英語の授業。英語は1年生から速習クラスを設けていますが、3年生になると、「速習」「発展」「標準」「基礎」と習熟度に応じて授業クラスを編成しています。今回は「基礎」クラスで、研究授業が行われました。
教科書には、ブラジルから日本に来た生徒が、クラスでブラジルの事を紹介する文章が載っています。新出単語が多い上、現在完了という新しい文法事項が出てくるところで、難しいと思う生徒も少なくない授業です。
先生は、英文の中に出てくる「アマゾン川」に焦点をあてました。
" What is the longest river in the world ? "
先生からの英語の問いかけに生徒たちは「ナイル川?」「アマゾン川?」等思い思いに答えます。
「じゃ、" What is the second longest river in the world ? " 」
微妙な日本語が入りながらも、先生が次々と英語で質問をします。
そのうち、世界地図が登場してきました。
先生は、" Do you like geography ? (あなたは地理が好きですか?)"と言いながら、
どの川が長いか、どこの川が広いか等と話を進めていきます。
生徒はそれを聞きながら、世界の川についての情報をプリントに書き留めていきます。
何となく社会科みたいな授業ですが、大きく違うのは、先生が英語で問いかけるところです。
「英語の授業は英語で」と言われますが、英語が苦手な生徒には一苦労です。
でも、英語が苦手だから日本語ばかり使っていると、いつまでたっても英語の力は伸びません。
今日のようなやり取りを繰り返していくうちに、英語への苦手意識が弱まっていきます。
授業の中盤は、新出の単語や構文の学習。目や耳、手や口を動かしながらいろいろな言葉を学習していきます。
" look like ~(~に似ている)"が出てくると、すかさず先生はある生徒を指名して、
「○○くん、Do you look like ...?」と尋ねます。
「 Father? Mother? 」など曖昧に答えていたら、先生は
「 I look like my grandfather.」と言って、お爺ちゃんの写真を見せます。
教室の中は、一段と盛り上がりました。
そしていよいよ、教科書の本文が登場します。
CDを聞きながら教科書を見て、先生に続いて本文を音読したところで、
「これは初めて見る文章だね。分からないところがあるかもしれないけど、入試では、はじめて見る文章が与えられ、そして、次の問いに答えなさいと言われるよね。今からこの文に関する問題を出すので、ひとまず頑張ってごらん」と言ってプリントを配りました。
このプリント、文の真偽を答えたり、本文から数値を抜き出したりする程度の内容ですが、全て英語で書かれています。生徒たちはちょっと自信なさそうに空欄を埋めていきます。なかには、あまり鉛筆が進まない生徒もいました。
しばらくして、「同じ質問を日本語にしたものを配るね」と、先生がもう1枚プリントを配りました。
すると、書いていた内容が正しいことを確認したり、答えを書きなおしたり、空欄を埋めていったりと、生徒たちの学習が一気に進みました。
最後の答え合わせの場面では、みんな正しい答えを書いていました。
英語を読むことはできても、英語で尋ねられるとなるとやはり難しくなります。
このような学習を繰り返すことで、次第に英語力が向上していくのでしょう。
基礎クラスとはいえ、生徒全員がイキイキと活動し、自発的に学習に取り組んだ授業でした。