九州国際大学付属中学校

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2010年02月21日 日曜日|カテゴリー: 行事

九国大付属読書感想文コンクール

今年で3回目となった「九国大付属読書感想文コンクール」。男子部、女子部、中高一貫部の生徒が冬休みに書いた読書感想文から優秀な作品が10作品選ばれました。表彰式も、各部の先生方や生徒達が見守るなか、盛大に行われました。今回、最優秀作品に与えられる『特賞』に輝いたのは、中高一貫部5年の福嶌由佳理さん。そのほか中高一貫部からは、大賞・3年松浦一以さん、準大賞・2年岩尾洋平くん、優秀賞・5年岩尾良太くんが選ばれました。 

九国大付属読書感想文コンクール
特賞 五年A組 福嶌由佳理さん

自分で決める。やり遂げる。

五年A組 福嶌由佳理

 先日、髪を切った。こんなに短くするのは小学一年生の時以来かもしれない。
  私が小学生の頃、母は看護師をしていた。そのため、夕食は、祖母の家でとることが多かった。そんな小学二年生のある日、父と母と私の三人で外食に出かけた。その帰りに、母は私に水色のリボンを買ってくれた。次の日の朝から毎日、母は私に二つ結びをしてくれるようになった。母が当直の日は祖母がしてくれた。普段は忙しく、なかなか話せなかった母の温もりを、二つ結びをしてもらっている間に感じていたと思う。その後、自分で二つ結びができるようになったが、その習慣を継続し、私は小学二年生から高校二年生までの約十年間を同じ髪型で過ごした。
  「西の魔女が死んだ」に出てくる少女まいは、中学生になってまもなく、学校へ足が向かなくなり、ひと月あまりを、西の魔女こと祖母のもとで過ごした。まいは祖母から魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、意志の力、自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力だった。まいは、そのことを信じ、何事も自分で決めることや祖母の優しさに触れることを通して、父の仕事の都合で転校はするが、学校へ通えるようになったのだった。
  「意志の力、自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力。」
  今年、高校三年生になる私にとって、大切な力だと思う。そして、その力で、私は魔女にはなることができないけれども、ひと回り成長した私にきっとなることができるだろう。二つ結びをずっと続けてきたように、自分が気に入ってずっと続けたいと思うことができるような仕事を決定し、髪を切ったように、視野を広げ、多くのことを経験していきたい。
  そう強く思うことができたのは、「西の魔女」のおかげだと本当に感謝している。